一般社団法人 風土産業研究所のホームページをご覧いただき,誠にありがとうございます。代表理事の榊純一です。
現在,日本の多くの企業や行政機関は,従来の成功体験の延長線上で物事を考えています。もちろん改善は重要ですが,伸びしろの限られた「連続的な改良」だけでは,人口減少や地域衰退といった構造的課題を乗り越えることはできません。
今,求められているのは,「連続」から「非連続」への発想転換です。特に地方創生において,私は長年,大きな違和感を抱いてきました。地方政策の多くは,豊富な人材や情報が集まる中央で立案されています。しかし,地方には地方特有の風土,歴史,人間関係,産業構造があります。その土地を深く知らずに作られた政策は,どうしても画一的になりがちです。
一方で,地方の現場では,人口減少以上に深刻な問題があります。それは,自ら未来を構想し,企画し,実行する力が不足していることです。地域には熱意ある人材が存在していても,限られたリソースの中で孤立し,挑戦する機会を持てない場合が少なくありません。
だからこそ私は,その土地を本当に知る人,その土地に愛着を持つ人,その土地で挑戦したい人たちが,少数精鋭で地域に根差した産業を育てていくことが重要だと考えています。
私たちが大切にしている「風土」とは,単なる自然環境ではありません。そこに暮らす人々の価値観,歴史,文化,人間関係,さらには言葉にならない「暗黙知」まで含めた,その土地固有の力です。
真に豊かな社会とは,所得やインフラ整備だけで測れるものではありません。便利さや効率性だけでは得られない,人と人とのつながり,地域への誇り,自ら挑戦できる実感。そうした価値の重要性に,多くの人がようやく気づき始めています。
私は,この新しい豊かさのあり方こそ,地方から日本全体へ発信できる知恵だと信じています。
風土産業研究所は,地域に眠る「暗黙知」や人のつながりを見える化し,その土地ならではの価値を持つ「風土産業」の創出に挑戦してまいります。また,挑戦する人を支え,失敗を許容し,次の挑戦につなげる風土を育てることも,私たちの大切な使命です。挑戦した結果に対して「It’s OK(大丈夫、次に活かそう)」と言い合える雰囲気や環境を整え,「まずやってみる」ことに価値があることを伝えていきたいと思います。
地方には,まだ眠っている力があります。
その土地に根差した人々の知恵と挑戦によって,新しい時代の豊かさを共に創り出していきたいと考えております。
今後とも,皆様のご理解とご支援を賜りますよう,よろしくお願い申し上げます。
一般社団法人 風土産業研究所
代表理事 榊 純一




